シギ・チドリのなかま


地味な鳥、しかして実は、とても個性的!

シギとチドリ、どちらかといえば、見た目には地味な鳥。 しかし、彼らの個性の強さは、見た目よりもその鳴き声や ふるまいにあります。  その派手さを発揮するのは、繁殖期。 ときにひょうきんな彼らの繁殖行動は、なかなかの見もの。
日本では、繁殖する種類があまり多くないので、その特徴的な彼らの行動を見る機会にはなかなかめぐり合えません。  そんな彼らの個性、こちらのサイトから少しずつ紹介していきたいと思ってます。

さて、まずはシギとチドリの比較から。

Semipalmated Plover Least Sandpiper

左がチドリで、右がシギです。 「Shorebirds」 と呼ばれる彼らは、その名の示すとおり、砂浜や磯、河川敷などの 沿岸域に適応した鳥たちです。 水際で、虫や貝などの小動物を採餌します。

大きな目玉がよく目立つチドリ。 視覚がよく発達しているのですね。 目で獲物を確認し、目標を捕らえるや否や まっしぐらに目標へと近づき、『ピコッ』と一撃でしとめます。 開けた、平らな場所でよく見かけるこの鳥、 足場の危なっかしい岩場には見られず、木に止まる姿も見られません。  第四趾(後ろ側に向いた指)が退化・欠落しているため、足でつかむというのが苦手なのですね。

シギのなかまは、せわしくあちこちへ歩き回りながらツンツンと地面をついばむ姿をよく見かけます。  一撃必殺のチドリに対し、シギは手数で勝負といったところでしょうか。 餌を手探りのように探すシギ、その多くは、 くちばしの先に感覚器官があり、触覚が発達し、また匂いを嗅ぎ分けることすら可能です。
もっとも、シギの場合は、足のやたら長いものやくちばしが長く弓なりになっているものなど、種類によって形態がかなり 多様化しています。 それに伴い、採餌する環境や種類、方法なども、随分と多様化しています。
例えば同じ砂浜の環境にあっても、ミユビシギは、 波打ち際ですばやく獲物をさらい、駆け抜けるのが得意なのに対して、 やや長めのくちばしを持つハマシギは、 胸近くまで潮につかるような潮間帯を好みます。  また、くちばしや足の長いハジロオオシギは、 さらに深い場所で採餌します。

参考文献

  1. Elphick, C., J. B. Dunning, Jr., and D. A. Sibley (Eds). 2001. National Audubon Society. The Sibley Guide to Bird Life & Behavior. Alfred A. Knopf, Inc., New York.